あなたは套路を通しているときに「氣」を感じたことがありますか??
中医学では「血は氣によって運ばれる」と言われます。こぶしをギューッと握ると白い部分ができます。この状態は「血氣」は通っていません。緩めることで血液が流れだし赤くなります。それが「氣血」が通った状態です。まさに「放鬆状態」ですね。
套路はこの「氣・血」の流れを感じながら動く練習です。動きのたびに「放鬆」してつねに「力み」がないかチェックします
馬張勲老師は「套路は虚で動く練習だ」と言われます
だから我々は「足幅は狭く」「姿勢は高く」なのです。どうしても頭でわかっても「本能的な力」を使ってしまいます。ここが大変難しく、修練が必要なところです。本能的な力で動こうとするのを「意志の力」でコントロールします。これを「用意不用力」といいます。我々が目指すのは骨格や筋肉に頼らない「氣の流れ・通順」がある「太極拳」です 。「力」と「氣」は異質なものなので勝負になりません。弱~~い力が、大きな力を動かしてしまう所以です 。傍目に大変不思議に見えます。
この「氣」を練っていくことが太極拳の修練なのです。
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「益寿延年不老春」という言葉
太極拳の古い言葉に「益寿延年不老春」という言葉があります。これは太極拳で実りある健康で長生きな人生を送るというような意味です。
もともとは「力」や「技」など細かいことにこだわらず「武将」に長生きしてほしいという文章の一説です。
詳しくは馬張勲老師の「太極拳を語る」の中に解説が出ています。
ここで「長生きしてほしい」とは「養生」のことなのです
世にたくさんの「養生云々」はありますが、その原典を知ると、なるほどと思います。
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体を激しく使うことは危険!?「太極拳を語る」の中にこんな話が出てきます。
アルミの弁当箱に生卵を入れて、走って帰ったら、弁当箱は何でもないのに中の卵はぐしゃぐしゃになっちゃう。
「卵」とは内臓であり「弁当箱」とは鍛えた肉体と言えます。
いくら鍛えた体でも内臓がやられれば短命でしょう。
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我々は馬張勲老師の「太極拳を語る」を依書として練習をしています。
馬張勲老師は、呉式第5代伝人で、日本に何回か来られています。
私も講習会には何回か参加させていただきました。
「太極拳を語る」という書籍は羅針盤でありバイブルです。
太極の拳練習者が「将来」通るであろう「疑問」や「問題点」を先達の老師たちも同じように悩み苦しんだ事がわかります。
初心者や入門者には少し難解かもしれませんが、修行年数が経つにつれいろんな疑問が生じた時この書籍を読むと「あっ、そういうことか!」と答えがわかります。
ぜひとも手元に置きたい書籍です。
この書籍の中で・・・
太極拳の核心は「鬆」だ
しかし普通はこれを疑っているか?
または半信半疑で、口では放鬆を言いながら
心の中では、「小聡明=浅知恵」を働かしている
あなたは本気で緩んでいますか・・・・?