会意兼形声文字です(巠+力)。「はたを織る時の縦糸」の象形(「まっすぐ伸びる縦糸、まっすぐ」の意味)と「力強い腕の象形」(「力」の意味)から、「まっすぐで力強い」を意味する「勁」という漢字が成り立ちました。
左側は上下の枠の間に縦糸をピンと引っ張った姿。弛まずピンと引っ張ること。強い力で引っ張りきる意に用いる
頭を天井にフックでひっかっけて緩むことで上下にピンと引っ張られた状態になります。
潮田先生は放鬆するとき「お腹周りに横に帯脈、縦に任脈と督脈という経絡があり、この縦を緩めるには、お腹の周りの帯脈を緩めろと言われます。これは食事の後にちょっとベルトを緩める感じだともいわれます。
緩めると、足に氣が下ります
また、潮田先生は「馬張勲老師曰く”套路は虚で動く練習であり、勁力は使わない”」と言われています。
これは結構難しいです。
このピンと張った力を緩めるのですが、これはたるまない程度に緩めるのです
たるんだ糸では使い物にならないのです
わずかに張りながら動きます
そのために用意不用で放鬆しながら動きます
この感覚をつかむのに結構時間がかかりました
そして、さらに、この勁力は相手に使わず自分の中で使ってしまえともいわれています
馬張勲老師の「太極拳を語る」の中に
推手の時も勁力を使わないと言うエピソードが出てきます。
李経梧先生と王子英先生とのやり取りの中で「李経梧の手にあの「勁」が無ければもっと良いのだが」・・・p223
ここで言われているのは、相手に使わず自分の中で使ってしまえと言う事です
相手にぶつけて激しく飛ばしたり、引き倒したりしないという事です