太極拳を語るP214から
二人が角突き合わせ、二人が力を使い、片方が手を引くと相手はつんのめる、これは失重(バランスを失う)であり引進落空ではない。太極拳は聴勁、問勁を重視する。まず力点を探さなくてはならない。例えば二人が手を合わせしてあなたが勁を出して、相手は勁を出さないと、これは「単重」で、あなたは始めるや自分を暴露してしまったのだ。相手が少しわかる人だとあなたは制せられる。・・・中略・・双方がわからない人間だと「頂勁」(勁がぶつかる)になってしまい、これを双重という。この病を無くしたかったら、須らく陰陽を知るべし。陰陽とはすなわち虚実で、むやみに動かなければ動かず、はっきり「問」しなければならない。人が剛なら我は柔でなければならない。自分が順であってこそ相手は背(不利)になる。このどおりがわかったらだんだんその中の技巧がわかってくる。