「開合」
2018年 馬張勲老師 東京推手講習会資料から
武禹襄は、『十三勢行功要解』で、「気で以て、身を運び、スムーズに行き、心の従うままならば・屈伸開合聴自由」と書いている。「聴」は、ここでは、まかせる、或いは、待つ、という意味〕武禹襄の甥の(リエキヨ)の『五字訣』には、以下の一節がある。
気が下に沈み、両肩から背骨に入つて、腰のあたりに注がれていく、上から下に向かうこと、これが、いわゆる「合」であつて、腰から背骨へ、そして両腕に、さらには、手。指に伝わった場合、気が下から上へと行った時を「開」という。合、つまり「収」であり、開、即ち「放」である。開合がわかれば、つまり「陰陽」を知ることになる。(リエキヨ)は同じ『五字訣』の中で、
「気は、収敏すべし、…・吸で、〔合〕と為し、〔蓄〕と為す。呼で、〔開〕と為し、〔発〕と為す、」 とも書いている。
以上、『五字訣』の中で、(リエキヨ)が、武禹襄の説明を補足していることがうかがえる。静が「合」、動が「開」でもあるが、いづれにしても、「開合」について、外形の動きとしてではなく、内功としての理解が望まれる。