武禹襄の《十三勢行功要解》の原文
① 以心行氣,務況着,乃能収敵入骨,所謂″命意源頭在腰隙″也。
②意氣須換得霊,乃有園活之趣,所謂″愛韓虚賞須留意″也。
③立身須中正安舒,支惇八面…行氣如九曲珠,無微不到,所謂″氣遍身躯不稽滞″也。
④衰勁須況着継静,専注一方,所謂″静中鯛動動猶静″也。
⑤往復須有招畳,進退須有韓換,所謂″因敵愛化示神奇″也。
⑥曲中求直,蓄而後衰,所謂″勢勢存心揆用意,刻々留心在腰間″也。
⑦精神能提得起,則無遅重之慮,所謂″腹内髪静氣騰然″也。
⑧虚領頂勁,気況丹田,不偏不侍,所謂″尾間中正神貫頂,満身軽利頂頭懸″也。
⑨以氣運身,務順遂,乃能便利従心,所謂″屈伸開合聴自由″也。
⑩心為令,氣為旗,神為主帥,腰為駆使,所謂″意氣君来骨肉臣″也。
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一応の訳文
①「心を以て氣を運行させ、沈着に務めれば、ついに(気が)収斂して骨に入る、これいわゆる″命意の源頭は腰の隙に在り″のことなり。
②意と気を敏捷(びんしょう)に変換し得れば、おのずと円満活発の趣(おもむき)現れ、これいわゆる″変換・虚実に留意すべし″のことなり。
③立身は須らく中正安舒であるべし、八面を支撑(しとう)すべし。氣の運行は九曲珠の如しであるべし、至らざる微をなくすべし、これいわゆる″気は身躯遍く行き渡らせ、些かの滞りもなし″のことなり。
④発勁は須らく況着。鬆静であるべし、 一方に専主すべし、これいわゆる″静の中で動を触発し、動なお静の如し″のことなり。
⑤往復は須らく折り畳みあるべし、進退は須らく轉換(てんかん)あるべし、これ所謂″神奇を示すは敵の彙化によるベし″のことなり。
⑥曲の中に直を求め、蓄えてのち発する、これいわゆる″勢の一つ一つ心に刻み″″時時刻々腰間に心を配り″のことなり。
⑦精神をふるいおこせば、鈍重の虞れ無し、これいわゆる″腹内は鬆静を保ち、氣は騰然たるべし″のことなり。
⑧″頂″の勁は″虚″で引率し、気は丹田に沈んで行く、偏せず、偏らず、これいわゆる″尾間は中正、神は項に貫し、全身を軽利にし、頭は頂点で懸すべし″のことなり。
⑨気を以て身を運行させ、順遂に務めれば、 ついに(身が)便宜に心に従う。これいわゆる″屈伸開合全て自由に任すべし″のことなり。
⑩心は令を為す、気は旗を為す、神は主帥を為す、腰は駆使を為す、これいわゆる″意と気が君、骨肉は臣なり″のことなり。